こんにちは、たなべです。
前回は小論文対策をいつから始めるかについて、
時期や方法についてご紹介でした。
今回はもう少し広い範囲で「表現力」についての話をしようと思います。
特に、”コミュニケーションスキル”としての「表現力」に焦点を当てた記事です。
私自身、表現力についてはずっとずっと課題意識を持ってここまで来ておりますので
「表現力を鍛えたい」「苦手意識を和らげたい」って人に届けばいいな~と思います。
…が、もちろん!
中学生や高校生にも無縁な話ではないです!
例えば共通テストの役割として、大学入試センターは下記のように述べています。
大学入学共通テストの果たす役割
独立行政法人大学入試センター
1.大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力、判断力、表現力等を問う問題作成
平成 2 1 年告示高等学校学習指導要領において育成することを目指す資質・能力を踏まえ、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した問題作成を行います。
参考ページ:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_gaiyou/yakuwari.html
SNSなんかでよく目にする
「〇〇の書き方」「▲▲なコミュニケーション5選」のような記事のタイトルや内容も
表面的にすごくすごく大事なことですが、
その蓄積が最終的にこの抽象的な概念である「表現力」をゴールとしていることを意識しながら
見られれば、1つ1つの意味を構造的に理解して能力向上に取組めるのではないかなと思います。
という分けで、早速本題へ。
そもそも、表現力とは?
表現力とは少しかみ砕くと、「自分の気持ちや考えを他者に伝える力」のことです。
表現の方法としては「話す・書く」が一般的ですが、
他にも「ボディランゲージ・表情・仕草・ファッション・絵・音楽・写真・動画・ダンス・演劇・・・」
なんかも表現方法ですよね。
そして上の表現方法における能力が表現力ということですね。
今回は特に一般的な「話す・書く」について触れようと思いますが
方法は違えど、「表現」に違いはなく、法則や鍛え方についての考え方は同じかと思います。
「人は見た目が9割」というベストセラー本の中では、特にメラビアンの法則の重要性を述べています。
メラビアンの法則とは感情を伝えるコミュニケーションにおいて
「言語情報=Verbal:見た目、しぐさ、表情、視線」55%
「聴覚情報=Vocal:声の質や大きさ、話す速さ、口調」38%
「視覚情報=Visual:言葉そのものの意味、会話の内容」7%
という割合で話し手の印象が伝わる、という法則です。
人の前に出て話す時って必死に内容練ったり言い間違えしないかとか不安・緊張に襲われますが、
この数字を見ると少し気が楽になりますね。(笑)
コミュニケーションにおいて、視覚情報や聴覚情報はそれくらいインパクトあるというお話しでした。
と言われるかもしれないので言っておくと、それはYESでもありNOでもあります。
前提として、メラビアンの実験は、
「「言語・聴覚・視覚」が示す情報が矛盾する状況で表現された場合、受け手はどの情報を優先するのか」
を検証したものです。
例えば、こちらが話し相手に何かしら謝った時に、
相手がめちゃくちゃ不愛想に「いいよ」って言ってきたら「まだ怒ってるやーん!」
ってなるやつですね。
「いいよ」って言語情報よりも、むちゃくちゃ不愛想な視覚情報が優位だということですね。
実験は「「言語・聴覚・視覚」が示す情報が矛盾する状況」下での結果ですので
いついかなる時もメラビアンつえーーという話は少し違うのかなと言う感じです。
そして学生の方は面接等では
何を話すか、そしてそれを上手に話せるかよりも、自然に振る舞える状態を作ることが重要
と思ってくれたらOKです。
表現力が豊かってどういうこと?
一言で言うと、
「伝える」と「伝わる」の違いについて意識出来るかどうか
です。
「伝える」と「伝わる」は似て非なる言葉ですよね。動作と事実。
上の二語を比較したときに、表現において大切なのはどちらでしょうか。
そう、「伝わる」ですよね。
「伝える」ことに重きを置くか、「伝わる」ことに重きを置くかで
印象は全く変わります。
イメージしやすいのは「”自称”コミュ力ある大学生」でしょうか。
(もちろん本当にある人もいるので、あくまでイメージしやすい像です!)
自身の就活時にも、就活支援をしていた時もいましたが
僕が出会った中では、「”自称”コミュ力ある大学生」は全員「伝える」に重きを置いている人でした。
もちろん「伝える」行動量は”過程”として大切です。
(「ザイアンスの法則」:ヒト・モノへの接触頻度と興味関心度は比例する)
が、”結果”としては少しズレています。
コミュニケーションは相手に伝わることという事実が価値です。
実際に伝わるようにしようと思うと出てくる課題は
まず「語彙」ですね。
食レポする人の食後の感想が「やばい」だけだったら嫌ですよね。降板待ったなし。
他には
比較することで魅力を感じてもらう
たとえ話で相手に「自分ゴト」だと感じてもらう
数字を使ってイメージしてもらいやすくする
言い換えることも、引き出しとして持っておくと良いですね。
ある書籍では、こんな言い換えを取り上げていました。
たとえば、マネジメントを仕事にしているリーダーの人たちと話をしていると、よくこんな話を耳にします。「仕事のトラブルが多い部下に手がかかる」「やらないといけないことをすぐ忘れてしまう部下がいる」
柿内尚文. バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則 (p.103). 株式会社かんき出版.
こうした不満の根っこにあるのは「マネジメント=管理&成果につなげる」という考えがベースにあるからではないでしょうか。でも、できる部下もできない部下もいるはず。できない部下のマネジメントは「成果」ではなく「長期投資」と言いかえてみたらどうでしょうか。
僕は自分自身に言いましたよ。
「長期投資中なんだな、君は。」と。
すごく良い言い換え表現だと思って使わせていただきました。
「表現力」を上げる手段についてより知りたい人は是非こちらの本を読んでみてください。
少し話が逸れます。
この本の著者は編集者なのだそうですが、下記の言葉がとても印象的でしたので書き留めておきます。
編集者の仕事は、簡単に説明すると
柿内尚文. バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則 (p.11). 株式会社かんき出版.
「 価値を発見する」「 価値を磨く」「 価値を伝える」の3つで構成されています。
「こんな話を自分がするなんて思っていなかった。新しい気づきもあったし、頭の整理もできた」
柿内尚文. バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則 (p.47). 株式会社かんき出版.
そういうときは 取材がうまくいったときです。
取材相手の中に潜在的にあった情報や思考を引き出し、言語化することができたからです。おもしろい情報を引き出せたわけです。
何が印象的だったかと言うと、
私は教育をメインに仕事をしているワケですが
・自分が推薦対策等で書類を一緒に作り上げていく時の感覚とすごく似ていること と、
・その感覚をあっさりと読みやすい文章にしているということ
に衝撃を受けました。
働く畑が違っても「表現」は、そこに人間関係がある限り大切な力なのだなぁと認識した瞬間でもありました。
表現力の鍛え方とは?
というワケでで、ここまで読んでいただければ、
表現力は「伝わる」ことにゴールを置き、その下位にある手段を獲得していくことで向上する
という構造までは理解していただけたかなと思います。
表現の量と手段を増やし、表現力を上げていきましょう!
あらゆる仕事に活用できますし、
時代的にも今後はますます個人発信の価値が高まっていきます。
僕自身修行中の身ですので説得力に欠けるかもしれませんが、参考になっていれば幸いです。
是非一緒に表現力を上げていきましょう!
ではではさようなら。