総合型選抜入試も調査書の送付や一次選抜試験の結果が出てきた頃ですね。
私の指導する生徒にも小論文対策、面接対策をおこなっています。
面接って何が見られてるんだろう?
面接って何が出来れば合格できるんだろう?
面接って何を準備や練習すればいいんだろう?
そんな風に思う人も居るかもしれないですし、
結局よく分からないままとりあえず練習の数を重ねている、
という人もいるのではないかと思います。
一番大切なことは、一言で言えば面接官の目線・気持ちを理解することです。
ただこれだけ言っても、じゃあどうすればいいの?となると思うので
以下に詳しく書いていきます。

面接時では、自分の経験や背景、志望する大学や学部・学科との関連性を明確に伝えることが重要です。
そのために、まずは下記の点について情報を整理できているかチェックしておきましょう。
- 自分の経験や学びの中で最も影響を受けた出来事や人物
- その経験がどのように自分の価値観や考え方に影響を与えたのか
- 自分の望む将来像やキャリアなどを含む、理想とする人物像
- 志望する大学・学部・学科と自分が学び深めたい領域との関連性
ざっくり言うと、
過去ー将来の間の地点にその大学での学びが重要なものとしてあるかどうか
です。
既に志望理由書にこの辺りのことは記載していると思うので、
まずはこれらの情報を整理しておきましょう。
その上で、一番伝えたい大切なフレーズは何かと
言葉を洗練していきましょう。
あなたが面接官なら、
➀心のこもっていない300字を聞く
②本気で伝える1つのフレーズ
どっちの方が聞きたいでしょうか?
おそらく、ほとんどの人は②だと思います。
またこれは面接官にも同じことが言えますよね。
この「本気で伝える1つのフレーズ」が、いわゆるコア・メッセージです。
たくさん練習をして文章を覚えて慣れる
このことはもちろん無駄ではありません。大切です。
ただ、自分が本当に伝えたい核はどこにあるのか
それをはっきりと表現し相手に伝えることが大切だというお話でした。
以前どこかの記事でもお伝えしたと思いますが、
コミュニケーションにおいて心理的に影響を与える割合は
視覚情報が55% 聴覚情報が38% 言語情報が7%
と言われています。
詳しく知りたい方は「メラビアンの法則」と検索してみてください!
なぜこれを伝えるのかと言うと、やはり伝えたいことは
面接官の目線・気持ちになっているか?ということです。
面接練習をしていると、多くの方が
「話したいことがちゃんと話せたかどうか」
で面接が上手くいったかどうかをフィードバックしてくれます。
これは言い換えると
7%の言語情報を評価項目として過大評価している
または
7%の言語情報の部分しか評価項目を持っていない
ということです。
当てはまると感じる人は是非一度、面接官役をやってみてください。
話している内容について厳密に細かくチェックしているというより、
身だしなみ、マナー、姿勢、表情、トーン、声色、ボディランゲージなどを含め
たくさんの観点をもって受験者を見ていることに気づくことが出来ると思います。
これを踏まえた上で、面接の評価ポイントをお伝えします!
- 志望動機や自己PRの内容が適切か
- 学習意欲や心構え
- 自主性、積極性
- 論理的思考力
- 協調性
- 表現力
- コミュニケーション能力
- 研究に有用な能力やスキル
すべてが言語表現だけで伝えられるものではないことが分かると思います。
例えば、とても小声でもじもじしている人が
「私は自主性やコミュニケーション力が高いです」
と言っても説得力は低くなってしまいそうですよね。
繰り返しのお伝えになりますが、こういったポイントは
言語表現だけで判断されるものではありません。
割と主観的なものに理屈をつけて、
それを複数の面接官の中ですり合わせて
総合的な評価となってしまうものです。
面接において「これさえ言っておけば絶対に大丈夫」という文言はありませんが
逆に「多少言葉に詰まったり噛んだりしてもそんなに気にしなくて大丈夫」です。
上の項目でお伝えしたポイントを踏まえながら
練習を進めやすい準備方法をお伝えします。
まず準備項目は大きく下記の3点です。
- 動作・マナー
- 基本的な質問
- 応用質問
動作・マナー
入室時
ドアをゆっくりと3回ノック
面接官から「どうぞお入りください」と応答があった後に「失礼いたします」と声を掛ける
ドアを両手で開けて入室
面接官に対してあいさつをし、お辞儀する(語先後礼)
ドアに近い側の椅子の側に立つ(ドアと椅子が一直線上の場合は椅子の左側に立つ)
「おかけください」と言われたら「失礼いたします」と答え、少し浅めに背筋を伸ばして座る
男性は肩幅程度に足を開く。膝は自然に平行な状態で、手は軽く握って太腿の上に置く
女性は足を閉じ、手の指を閉じた状態で右手が下になるように重ねて体の近くに置く
※男性は膝が外に開くと、また女性は脇が開きすぎると、少し強い性格の印象になるため注意
面接中
相手の話をよく聞き、適度な間を置いて返答する
目線を合わせて話す
手や足を組んだり、椅子にもたれたりしないようにし、姿勢を正しく保つ
表情や言葉遣いに気をつけ、明るく積極的な話し方を心がける
※口の動きをはっきりするように意識すると、ぼそぼそした話し声になりにくい
退室時
「面接は以上で終了になります」と伝えられたら椅子を立つ
面接官に対してあいさつをし、お辞儀する(語先後礼)
ドアを両手で閉めて退室
細かく書き出すと意識するべき点は多いので、
動作・マナーについては意識せずとも自然に一連の動作をおこなえるよう
練習を重ねましょう!
基本的な質問
➀受験番号・出身高校・名前
②志望理由
➂自己PR
④高校生時代に力を入れたこと
⑤長所・短所
これらは多くの面接の序盤に聞かれやすいことです。
志望理由書と重なる内容が多いのではないでしょうか。
②~⑤については1分(300字)程度話せるようにスクリプトを作成していきます。
各内容において重なる部分も多いですが、
すべて聞かれるということではなく、重点が違うという事を理解しておきましょう!
応用質問
志望理由書や提出資料から質問が出ると予想される部分をピックアップし
それに対する答えを用意します。
一つひとつの文章に対して「なぜ?」と問いを立てると様々な質問が生まれます。
目安としては30~50個ほどを用意することが多いです。
多数の質問と回答を準備する過程において
一問一答的な思考ではなく、たくさんのキーワードが入った袋から
好きなタイミングで任意のキーワードを引き出せるイメージが大切です。
ここでもやはりコア・メッセージを大事にしておいて頂きたいです。
- 基本的な質問や動作・マナーについて、何度も練習を重ねることで、スムーズに答えられるようになる。
- 答える際のキーワードや短いフレーズを事前にメモしておき、それを基に話す練習をする。
- 友人や家族に面接官役を頼み、模擬面接を実施。その際フィードバックをもらい、改善点を見つける。
- 逆に自分が面接官役となり、他の人を面接することで、どのような答えが良い印象を与えるのかを学ぶ。
以上の流れを汲んで練習を進めていくことをおススメします。
練習場所を変えたり、色んな面接官の人格を想定して実施すると、対応できる幅が広がります。
対応できる幅が広がると、自信が付きます。
また、自身のメッセージを固めたり深めたりしていくために、
自身の深めたい学問領域に関する学術論文、関連書籍、関連記事
から日々情報収集をおこない、内容のアップデートをおこなうと良いでしょう。
面接官の目線・気持ちを理解することが、面接で最も大切なことです。
一方で面接は、あなたの能力や経験を示す重要な時で、自分らしさを出し、楽しむことも大切です。
十分な準備をして「これでやり切った」と感じることで、楽しみながら臨むことができます。
未知の環境や初対面の面接官を相手に60%の力を出せれば十分です。
自分がコントロールできるのは自分の思考・感覚・行動だけです。
他人からの評価はそれらの結果でしかないということを頭に入れておきましょう。
最後に、「ここまでやって受からなければ、自分に合わなかっただけ」と感じる心構えで、
自分を信じ、最善を尽くし、後悔のない面接を目指してください。