【2025年】SFC環境情報学部 出題予測まとめ【小論文】

こんにちは。田邊です。
明日はSFC環境情報学部の試験日ということで、受験する皆さんには頑張ってほしいです。

SFCの小論文は出題傾向や共通性の把握が難しく、
結果的に「突飛な出題をする」というような見られ方をすることも多いと感じます。

しかし理念である「幅広い視野を持ち」「課題発見・課題解決」の素養がある人を評価する姿勢は一貫して見受けられます。

SFC環境情報学部アドミッションポリシー

ひとつの学問分野にとらわれることなく幅広い視野を持ち、地球的規模で問題発見・解決できる創造者でありリーダーを目指そうとする学生を歓迎します。環境情報学部の理念や研究内容をよく理解した上で、「SFCでこんなことをやってみたい」という問題意識を持って入学してくれることを願っています。SFCの教育環境や先端プロジェクトなどあらゆるリソースを積極的に活用し、「自らの手で未来を拓く力を磨いてほしい」と期待しています。また、多様な学生を集め、学生同士が互いの強みを活かせるように、一般選抜、AO入試(総合型選抜)、帰国生入試、外国人留学生入試といった多彩な入試を実施し、AO入試については英語による受験も認めています。

引用:慶應義塾大学ホームページ

特に文章量の少ない年度の過去問だけやっていると、本当につかめないです。
そのため対策をする方は、10年分程度は目を通した方がよいです。
そうすることで、SFCが大切にしている共通性に対して理解が増えると思います。

とはいえ何を問われるのだろうかとソワソワする気持ちも分かるので、今回は時系列およびテーマから
出題意図を探り、今年問われそうな問題やその観点について考えてみたく思います。

明日受験する人も今後受験する人も、これを見て頭を整理し、少し安心できればいいなと思います。

時系列から分析する出題テーマ

まずはこれまでの出題内容について時系列で見ていきましょう。

出題の特徴備考
2010年電子図書館の影響分析技術革新(iPhone登場期)の波及効果や、その副作用(例:日本語への影響)を考察する出題。
2012年生活用品の創造的再解釈スキャナーやメガネなどの日常品から新たな価値を抽出し、課題発見から解決策提案へ。
2013年身体知の探求非言語的知識(身体知)を体系化するテーマ。SFCの「身体知論」授業と連動して出題され、身体性に基づく思考力を問う。
2014年学際的編集能力9つの科学・社会テーマから6テーマを選び、編集する『地球と人間』シリーズ構想。学際的な視点と編集力が求められる。
2015年技術革新の軌跡分析自転車、半導体、3Dプリンターなどの進化史を通じ、技術と社会の相互作用を解釈する。
2016年プロダクトデザイン「片手で納豆を食べる器具」の考案を通して、ユーザー中心設計の要求が顕在化。
2017年カリキュラム設計理想的な教育プログラムの構築をテーマとし、自己分析と制度設計の融合を図る。
2018年物語創作絵と言葉を用いたファンタジー小説執筆により、技術と人文の架橋能力を測定する。
2019年キャンパスマップ改修学生の動線や行動分析に基づく空間設計、IoT技術の実装可能性を検討する。
2020年環境と人間性の共生SDGs達成のための技術倫理、持続可能性と情報技術の統合を図る。
2021年代数的思考と社会分析数理モデルを用いて社会問題を再定義し、抽象概念を具体化する能力を問う。
2022年未来からの留学生対応10年後の教育環境やメタバース活用教育の提案など、未来志向の教育設計がテーマ。
2023年AI倫理フレームワーク生成AIの誤情報拡散防止策を中心に、技術開発と人権保護のバランスを問う。
2024年新試験形式提案SFC入学試験における自己革新案。教育理念の再解釈と制度設計を通じ、問題創出能力の高さを評価する。

時系列から分析する主要傾向

時系列で見た傾向を大まかに分けてみましょう。

時期特徴代表テーマ
2010~2014基礎的思考力養成身体知の探求/学際的編集能力
2015~2019技術実装力強化IoT応用/プロダクトデザイン/キャンパスマップ改修
2020~2024未来設計能力AI倫理/メタバース教育/新試験形式提案

テーマから分析する出題テーマ

次にテーマ別に分けて見てみましょう。

デザイン思考型課題プロダクト開発
・片手で納豆を食べる器具(2016)
・21世紀型サービス提案(2022)
システム改善
・SFCキャンパスマップ改修案(2019)
・新カリキュラム設計(2017)
学際的課題科学×社会
・フェルミ推定と未来社会(2022)
・代数問題と社会不条理(2021)
技術倫理
・環境と人間性の共生(2020)
・AI倫理ガイドライン作成(2018)
メタ認知課題自己分析型
・志望研究会選択理由(2017)
・SFCが求める知的能力の分析(2024)
創作表現
・絵とセリフからの物語創作(2018)
・ファンタジー小説執筆(2018)

テーマから分析する出題傾向と周期

完璧ではないけれど、おおよそテーマのパターンが見えてくる。

周期性(8年サイクル) ・プロダクト重視期:2008→2016→2024
 ・メタ認知強化期:2012→2020
新型課題の登場パターン ・技術革新反映(AI倫理:2018→2024)
 ・社会課題連動(SDGs関連:2020→2023)
 ・学部改革連動(カリキュラム変更:2017→2024)

求められる4つの能力

出題予測の前に、より重要な「求められる能力」について考えてみましょう。

4つの能力説明
問題発掘力例:2019年度キャンパスマップ改善における「学生の動線分析」が鍵。
創造的転換力既存概念の再定義から、技術的解決策の具体化、社会実装プロセスの提示(例:2022年度「未来からの留学生」課題)。
学際的統合力【要素例】
・テクノロジー:IoT・AIの応用
・デザイン:ユーザー体験設計
・ポリシー:持続可能性評価(例:2020年度「環境と情報と人間性」課題)
プレゼンテーション力ビジュアル思考(図表の活用)とコンセプトの言語化(キャッチコピー作成)が評価される(例:2018年度物語創作で「感情伝達力」が評価)。

出題テーマの予測

では実際に時系列やパターンを統合的に考え、今年の問題にどんなものが出るのか考えてみましょう。

項目例/予測内容
技術統合型課題AI倫理フレームワーク設計(生成AIの誤情報拡散対策)
サーキュラーエコノミー実装
エネルギー自律社会構想
メタ認知深化課題SFC教育の次世代化提案
自己革新シナリオ設計(AI時代の人間の競争優位性を定義するプロセス)
新たな評価観点未来予測の妥当性
技術トレンドの理解
学部理念の再解釈力
出題形式の新展開逆設計課題(不完全な解から課題の再構築)
自己評価型課題
技術倫理ディレンマの最適化

自身で問題を定義し、背景や意義を分析・提示する「問題設計型」が重要に。
学際的統合力、つまり技術と人文・社会の両面からアプローチする提案が評価される。
解決策の根本的な再設計や未来予測を盛り込み革新性が問われる傾向。

 対策ポイント

対策項目推奨対策例
過去問分析過去の出題傾向を徹底的に解析し、周期性(8年サイクル)を把握する
問題設計力向上ケーススタディやグループディスカッションを活用し、
受験生自身が課題を発掘・定義する訓練を実施
学際的統合力向上IoT、AI、デザイン、ポリシーなど各分野の基本知識を読み込み、
関連性のある事例研究やシラバスの分析に取り組む
プレゼンテーション力向上模擬発表、図表作成、キャッチコピー練習を通じ、
論理的かつ魅力的な表現方法を磨く
情報収集公式ホームページ、オープンキャンパス、現役SFC生との対話を行い、
大学側のメッセージや最新のカリキュラム情報をキャッチする

まとめ

学際的統合力を中心とする新たな課題形式が強調されると予測。
自ら課題を発見・設計する能力、学際的統合力、説得力のあるプレゼンテーション力が一層重要になる。

これからSFC対策の小論文対策をする方は、以下を順番に実践してみてください!

①大学情報のキャッチアップ
②過去問を基にした出題傾向の分析
③学際的知識の統合とプレゼンテーション力の向上
④問題設計型アプローチの習得

参考になれば幸いです。

また年度ごとの詳しい解説や回答例も気になる方はご連絡ください。
ではでは頑張ってきてください!!