SFC 小論文対策マニュアル

慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部一般選抜向け

特徴・過去問分析・求められる人物像・対策法・模範解答例・Q&Aまで徹底ガイド

SFC小論文の概要と重要性

SFC（総合政策学部・環境情報学部）の一般入試では「小論文」が合否を大きく左右します。
小論文は全体点の50%を占め、多くの受験生が最大の難関に感じています。

学部名	試験時間	字数	配点
総合政策学部	120分	1400＋α字	200/400点
環境情報学部	120分	1800字	200/400点

志望理由・問題意識を問う設問も多く、「知識」「発想力」「課題発見・解決力」といった現代的な能力が求められます。

SFC小論文の特徴

複数の資料・文献・データから本質を抜き出して考察させる
社会・科学・人文といった多領域を横断するテーマが多い
「自分ならどうするか」を問う主観的・未来志向の設問が頻出
決まった「正解」は無く、独自性と一貫性が評価される

SFC小論文イメージ

求められる人物像・アドミッションポリシー

SFC（総合政策学部・環境情報学部）が求める人物像

自ら現代社会の課題を発見し、能動的に解決へと挑戦できる
多様な知識・技術を合わせて「新しい知」を創造できる
多様な人々・他分野と協働し、未来社会のリーダーシップを担える
自分なりのビジョンを情熱をもって発信・実践できる

総合政策学部アドミッションポリシー要旨

「実践知」の理念に共感し、問題発見・解決に取り組む力
異分野の知識を取り入れて、社会の先導者を目指す意欲

環境情報学部アドミッションポリシー要旨

グローバルな課題を主体的に捉える力
学際的な視点と情報・理系技術への柔軟性
新時代の学び・協働・発信への情熱

参考: 慶應義塾大学SFC アドミッションポリシー公式ページ

過去問分析（抜粋と解説）

SFC小論文は、資料読解＋自分の思考・将来提案が頻出テーマ。以下に抜粋例とその意図・解説をまとめます。

【総合政策学部2025年度】（抜粋）

問1：「人間」とは何か、複数の人物の思想を交えて議論せよ。自らが目指したい「人間」の在り方も述べよ。
問2：「人間」は「未来社会」においてどう生きるべきか、資料を批評しつつ自論を展開せよ。
問3：SFCでどのように学びを深めるか、問1・2をふまえ、具体的な計画や思いも含めて論ぜよ。

出典：shoronbun.jp 総合政策学部2025年

【環境情報学部2024年度】（抜粋）

設問1：過去問の問題・解答例から「求められる知的能力」を分析し300字以内で記述
設問2：高校数学を用いた問題解決の能力を測りたい理由を記述
設問3：新しい大学入試の土台となる“ミニ試験”を構想提案せよ（要件が複数）

出典：shoronbun.jp 環境情報学部2024年

過去問傾向まとめ

多資料・多領域を扱う設問（社会・理系・人文・倫理など）
自分なりの「課題発見・未来構想」やリーダーシップ・協働を問う設問
論理性＋独自性＋社会的文脈への接続力を要求

SFC小論文攻略法・勉強法

基本戦略4ステップ

設問条件を徹底確認
→ 設問の要求（例：人物・資料・展望等）に完全準拠
資料文の効率的読解
→ 問題意識と関連付け、要点抽出
自分軸の一貫性＋オリジナリティ
→ 受験動機・将来像に根ざした構成
文章構成は「主張-根拠-考察-展望」型に

アウトライン例（メモ書きでの必須項目）

導入：テーマ・自分の問題意識明示
資料/人物思想の要点まとめ
考察: 資料の他者の主張・弱点・現代的接続
提案／展望・自己の志（SFCにおける学びとの関連）

【重要】「独学＋添削」の組み合わせが最強！

書いた答案は必ず第三者の添削（塾・先生・友人）でブラッシュアップ
「時間内に手書き1400字/1800字」の訓練も積もう

演習で意識するべきポイント：
・設問条件厳守・独りよがりにならず必ず根拠を添える・通しで構成、段落を「意味あるつなぎ語」で

模範解答例と解説【総合政策学部 2025年】

【問1】「人間」とは何か、複数の思想家に言及しながら論じ、あなたが目指す姿についても述べよ。

模範解答例抜粋：
人間の多義性と多面性について、複数の思想家の見解を整理しながら論じていく。エーリッヒ・フロムは愛する能力を持つ存在として人間を捉え、その能力が社会によって形作られると指摘した。スマナサーラは「考える」という人間固有の特質に着目し、それが必ずしも幸せには結び付かないと説く。マルクス・アウレーリウスは人生の無常性を説きつつ、自然の摂理に沿うことで人は調和のとれた生を送れると主張した。シェイクスピアは人間存在の儚さを詠いながら、その中に秘められた崇高さを見出している。これらの多様な視点が示すように、人間は複数の側面を持つ存在である。AI・ロボティクスの進展により人間固有の特質がますます問われる現代、こうした思想の再検討が不可欠である。私は、多様な知と他者への共感をもとに、社会課題の解決に参画できる人間像を目指したい。

【問2】「人間」は「未来社会」においてどう生きるべきか、資料批評とともに論ぜよ。

模範解答例抜粋：
未来社会ではAIや仮想空間と共生しつつ、人間の考える力、倫理観がより重要となる。グローバルな格差拡大や環境変動が予想される中、利便の追求のみに陥らず、自己利益を超えた持続可能性・国際協調へ向けた行動が人間に求められる。そのためには、多角的な資料分析や価値の再評価を常に行う批判的精神が必須である。

【問3】SFCでどのような学びを行うか、問1・2をふまえて述べよ。

模範解答例抜粋：
SFCの学際的環境を活かし、新時代の人間像と社会像を探究する。AI・サイエンスと哲学・倫理を組み合わせた独自の研究会に積極参加し、世界の多様性に目を向けつつ、実践的な課題解決に挑戦したい。多様な仲間と協働による発信・プロジェクトにも積極的に取り組み、社会変革へのリーダーを目指す。

より多くの答案例・添削解説は
shoronbun.jp 過去問解答例集
参照

よくある質問と対策Q&A

Q. 小論文に“正解”はありますか？

A. 「唯一の正解」はありません。独自の発想や資料の論理的読み解き、そして設問条件を外さないことが合格の鍵です。

Q. オリジナリティや独自性はどう評価される？

A. 単なる奇抜さよりも、社会的意義と論理性・一貫性のある提案が高評価です。独りよがりにならず資料や設問との接続が必須。

Q. 知識・時事問題はどの程度必要ですか？

A. 幅広い時事知識やSDGs・AI・環境問題などの社会課題への関心が有利ですが、深い知識より評論的に「考え抜く姿勢」が重要です。

Q. 一番多い減点パターンは？

A. 設問条件の見逃し、資料の読み違え、「主張だけで根拠が薄い」「まとめが甘く実践展望が弱い」など。必ず段階的構成＋根拠の明記を！

Q. 添削やリライト練習はしたほうがいい？

A. 必須です。自己添削→他者添削（塾・学校など）→再リライトの繰り返しで、論理力を最大限鍛え上げます。

参考文献・おすすめリンク

利用しているイメージ/図・出典リストは各公式・受験情報サイト、公的大学HPより引用しています。
情報・傾向は2024年4月時点の情報に基づきます。必ず最新年度募集要項等を確認してください。

「思考力」「課題解決力」「未来志向」を胸に、SFCの“実践知”を掴み取ろう！

— 受験生の健闘を心より願っています —