私立大学の総合型選抜マニュアル





私立大学の総合型選抜(旧AO入試)マニュアル


私立大学の総合型選抜(旧AO入試)マニュアル

初心者でもわかる!大学選びから対策まで

1. 総合型選抜とは

総合型選抜(旧AO入試)は、従来の学力試験だけでは測れない多様な能力や可能性を評価する入試方式です。2021年度入試から、従来の「AO入試」は「総合型選抜」という名称に変更されました。

総合型選抜の特徴
  • 学力試験だけでなく、志願者の意欲や目的意識、将来性などを総合的に評価
  • 書類選考、小論文、面接、プレゼンテーションなど多様な選考方法を組み合わせて実施
  • 高校の推薦がなくても受験可能(自己推薦型)
  • 一般選抜よりも早い時期に出願・受験が行われる

総合型選抜は、大学が求める学生像(アドミッションポリシー)に合致した学生を選抜するための制度です。近年、私立大学を中心に実施校が増加し、多様な入試形態が広がっています。

総合型選抜と学校推薦型選抜の違い

項目総合型選抜(旧AO入試)学校推薦型選抜(旧推薦入試)
推薦の有無高校からの推薦不要高校からの推薦が必要
評価基準意欲・関心・適性など多面的評価高校での成績や活動実績が重視される
選考方法書類審査、小論文、面接、プレゼンなど書類審査、小論文、面接など
出願時期9月〜11月頃11月〜12月頃

2. 総合型選抜のメリット・デメリット

メリット

  • 早期に進路が決定する
    9月から出願が始まり、11月には合格発表があるため、早い段階で進路が確定します。
  • 学力以外の能力も評価される
    課外活動や特技、意欲などが評価されるため、学力試験が苦手な学生にもチャンスがあります。
  • 倍率が低い傾向にある
    一般選抜と比べて倍率が低い場合が多く、合格のチャンスが高まります。
  • 自分のペースで受験準備ができる
    自己推薦書や小論文など、時間をかけて準備できる選考方法が多いです。
  • 自分の強みを生かせる
    得意分野や独自の経験をアピールできる機会があります。

デメリット

  • 同時に複数校を受験できない場合がある
    専願制を採用している大学では、他校との併願ができません。
  • 準備期間が長く必要
    志望理由書や小論文の作成、面接対策など準備に時間がかかります。
  • 選考基準が明確でない
    大学が求める人物像に合致するかどうかの判断基準が曖昧な場合があります。
  • 入学後の学力差に悩む可能性
    学力試験を課さない場合、入学後の学習についていけない可能性があります。
  • 不合格の場合の切り替えが難しい
    準備に多くの時間を費やした分、不合格になった際のショックが大きいことがあります。

総合型選抜の合格率は、大学や学部によって大きく異なります。国立大学の総合型選抜の合格率は平均で30%程度、私立大学では20%程度が平均とされています。一般的に、一流の大学や高難易度の学部・学科では合格率が低く、競争が激しいと言えます。

3. 主要私立大学の総合型選抜

3-1. 早稲田大学

早稲田大学は、多様な才能を持つ学生を獲得するために様々な総合型選抜を実施しています。特に、グローバル人材を育成するための入試制度が特徴的です。

早稲田大学 総合型選抜の特徴

  • 大学入学共通テストを利用する方式が多い
  • 学部によって選考方法が大きく異なる
  • 書類審査と面接に加え、小論文や筆記試験などがある
  • 英語力を重視する学部が多い

早稲田大学キャンパス

早稲田大学 主要学部の総合型選抜情報

学部偏差値募集人員選考方法特徴・条件
国際教養学部70-72約100名書類審査、英語での面接、Critical Writing高い英語力(TOEFL iBT 100点以上推奨)、海外経験者向け
政治経済学部67-70約70名書類審査、小論文、面接グローバル入試では英語力証明が必要
社会科学部65-67約50名書類審査、共通テスト、小論文、面接評定平均3.5以上が望ましい
文化構想学部65-67約40名書類審査、小論文、プレゼンテーション文化・社会への関心が高い学生向け
スポーツ科学部60-65約80名書類審査、小論文、面接、実技試験スポーツ経験者優遇、競技成績が重要

3-2. 慶應義塾大学

慶應義塾大学は、特に湘南藤沢キャンパス(SFC)の総合政策学部・環境情報学部で早くから総合型選抜(AO入試)を導入し、先進的な取り組みを行ってきました。

慶應義塾大学 総合型選抜の特徴

  • SFC(総合政策・環境情報)のAO入試は募集人数が多い
  • 学部ごとに独自の選考方式を採用
  • FIT入試(法学部)など特色ある選抜制度がある
  • SFCでは評定平均を問わない選考も実施

慶應義塾大学SFCキャンパス

慶應義塾大学 主要学部の総合型選抜情報

学部偏差値募集人員選考方法特徴・条件
総合政策学部(SFC)65-67約150名書類審査(活動報告書、小論文等)、面接評定平均不問、自由応募制、4月・9月入学選択可
環境情報学部(SFC)65-67約150名書類審査(活動報告書、小論文等)、面接評定平均不問、自由応募制、4月・9月入学選択可
法学部(FIT入試)67-70約20名書類審査、小論文、口頭試問論理的思考力・表現力を重視
理工学部65-67約50名書類審査、小論文、面接評定平均4.1以上、数学・理科の成績優秀者向け
慶應SFC総合型選抜の特徴

慶應義塾大学SFCの総合型選抜は、以下の特徴を持っています:

  1. 募集人数が多い:総合政策と環境情報の両学部の定員がおのおの150人
  2. 評定平均を問わない:成績よりも意欲や適性を重視
  3. 1次選考(書類審査)免除制度:特定の条件を満たすと1次選考が免除される
  4. 出願書類の多さ:志望理由書、活動報告書、小論文など提出書類が多い
  5. 合格しやすい大学ではない:倍率が5倍前後あり、難易度は高い

3-3. MARCH(明治・青学・立教・中央・法政)

MARCH(マーチ)と呼ばれる明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学は、関東の私立大学の中でも人気が高く、それぞれ特色ある総合型選抜を実施しています。

MARCH 総合型選抜の特徴

  • 学部・学科ごとに異なる選考方法を採用
  • 基本的には評定平均4.0以上を求められることが多い
  • 英語資格を活用できる選抜方式が増加傾向
  • 小論文と面接を組み合わせた選考が一般的

MARCHキャンパス

MARCH 主要学部の総合型選抜情報

大学学部・学科偏差値選考方法特徴・条件
明治大学国際日本学部62.5-65書類審査、小論文、面接英語力証明(TOEFL/IELTS)必要
青山学院大学総合文化政策学部60-62.5書類審査、小論文、面接学校長推薦不要、創造力を重視
立教大学異文化コミュニケーション学部62.5-65書類審査、小論文、英語での面接英語力(TOEFL iBT 80点以上など)必要
中央大学国際経営学部60-62.5書類審査、小論文、グループディスカッション英語力証明(TOEIC 730点以上など)必要
法政大学グローバル教養学部60-62.5書類審査、英語での小論文・面接全て英語で実施、高い英語力必要
MARCH総合型選抜の穴場学部

MARCHの中でも、以下の学部は比較的倍率が低く、総合型選抜の穴場となっています:

  • 明治大学 農学部:一般選抜に比べて倍率が低く、英語資格があれば有利
  • 青山学院大学 コミュニティ人間科学部:新設学部で倍率が低い傾向
  • 立教大学 コミュニティ福祉学部:ボランティア経験などがアピールになる
  • 中央大学 商学部:英語力と小論文の対策で合格可能性が高まる
  • 法政大学 社会学部:社会問題への関心や活動経験があれば有利

3-4. その他の主要私立大学

その他の注目すべき私立大学の総合型選抜

大学学部・学科偏差値選考方法特徴・条件
上智大学国際教養学部65-67.5書類審査、英語小論文、英語面接全て英語で行われる、高い英語力必要
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部62.5-65書類審査、小論文、面接外国語能力(英語・中国語・仏語)重視
立命館大学国際関係学部60-62.5書類審査、小論文、面接英語資格、海外経験があれば有利
関西学院大学国際学部60-62.5書類審査、小論文、英語能力テスト、面接国際交流・ボランティア経験者向け
近畿大学国際学部57.5-60書類審査、小論文、面接英語力があれば選考で有利

総合型選抜で受かりやすい大学の特徴

以下のような特徴がある大学・学部は総合型選抜で合格しやすい傾向があります:

  • 新設された学部・学科(認知度が低く志願者が少ない)
  • 地方にあるキャンパスの学部(アクセスの問題から志願者が少ない)
  • 偏差値55~60の中堅大学(トップ校ほど倍率が高くない)
  • 特徴的な学問分野(特定の専門分野に特化した学部)
  • 明確な出願条件がある学部(条件を満たせば比較的合格しやすい)

4. 総合型選抜の選考プロセス

4-1. 出願時期・スケジュール

総合型選抜は一般選抜よりも早い時期に実施され、文部科学省のガイドラインでは「出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降」と定められています。

4月〜8月

準備期間

  • 志望大学・学部の情報収集
  • 入試要項の確認
  • 志望理由書の作成
  • 小論文対策の開始
  • 活動記録の整理

9月〜10月

出願期間

  • 願書提出
  • 必要書類の提出
  • エントリーシート提出(該当校)
  • 1次選考(書類審査)
  • 面接・小論文対策の強化

10月〜11月

選考期間

  • 1次選考結果発表
  • 2次選考(面接・小論文など)
  • 最終選考(該当校)

11月〜12月

合格発表・手続き

  • 合格発表
  • 入学手続き(入学金納付など)
  • 入学前教育(該当校)

注意点
  • 大学・学部によって出願時期や選考スケジュールは異なります
  • 専門学校の場合は6月頃から出願が始まることもあります
  • 国公立大学の総合型選抜は私立大学より遅いスケジュールで実施されることが多いです
  • 共通テストを課す総合型選抜は最終合格発表が2月以降になることもあります

4-2. 選考方法(小論文、面接など)

総合型選抜では、学力試験以外の様々な選考方法を組み合わせて、志願者の能力や適性を多面的に評価します。主な選考方法は以下の通りです。

書類審査

第一段階必須

  • 志望理由書
  • 活動報告書/自己推薦書
  • 調査書(高校の成績証明)
  • 資格・検定証明書
  • 課題レポート

ポイント:

書類審査は第一関門であり、ここで落とされると次の選考に進めません。特に志望理由書や活動報告書は自分の強みや大学の求める人材像に合致していることをアピールする重要な書類です。

小論文

第二段階頻出

  • 与えられたテーマについて論述
  • 時間:60〜120分が一般的
  • 字数:800〜1,600字程度
  • 資料読解型・課題論述型など

ポイント:

論理的思考力や表現力、社会問題への関心度などを測る試験です。大学・学部の特性に関連したテーマが出されることが多いので、志望学部の専門分野について基礎知識を身につけておくことが重要です。

面接

第二・最終段階ほぼ必須

  • 個人面接(1対1、1対複数)
  • 集団面接・グループディスカッション
  • 時間:15〜30分程度
  • 日本語または英語で実施

ポイント:

志望動機や学習意欲、将来の目標、人間性などを総合的に判断されます。提出書類の内容について質問されることも多いので、自分の書いた内容を十分に理解し、具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

その他の選考方法

第二・最終段階学部による

  • プレゼンテーション
  • 実技試験(芸術・スポーツ系)
  • グループワーク
  • 模擬授業・講義理解力テスト
  • 学力検査(英語・数学など)

ポイント:

学部の特性に合わせた選考方法が取り入れられています。例えば、芸術系学部では実技試験、国際系学部では英語でのプレゼンテーションなど、学部の専門性を反映した試験が課されることがあります。

総合型選抜では、一般選抜と比べて「人物本位」の評価が重視されます。単に知識や学力だけでなく、志願者の人間性や将来性、大学の理念・方針との適合性などが評価されるため、自分の強みや特性を最大限にアピールすることが重要です。

5. 総合型選抜の対策方法

5-1. 小論文対策

小論文は、総合型選抜においてもっとも頻出の試験方式の一つです。論理的思考力や表現力を評価する重要な選考です。

1小論文の基本構成を理解する

小論文の基本構成は「序論(導入)→本論(展開)→結論(まとめ)」です。

  • 序論:問題提起、テーマの背景説明、自分の立場の提示
  • 本論:主張の根拠、具体例、反論への対応
  • 結論:主張のまとめ、今後の展望や提案
2論理的な文章の書き方を身につける

「主張→根拠→具体例」の流れを意識して書くことが重要です。

  • 一つの段落には一つの主張を入れる
  • 根拠を明確に示す(データ、事例など)
  • 接続詞を適切に使用して文と文をつなげる
  • 結論と根拠の整合性を確認する
3時事問題や専門分野の知識を増やす

志望学部の専門分野や社会問題について日頃から情報収集しておきましょう。

  • 新聞や質の高いニュースサイトを読む習慣をつける
  • 志望学部に関連する専門書や入門書を読む
  • 様々な社会問題について自分の意見を持つ
  • 統計データや具体的事例を記憶しておく
4過去問や類似問題で練習する

実際に書く練習を重ねることが最も効果的です。

  • 志望大学の過去の小論文テーマを調べて取り組む
  • 制限時間内で書く訓練をする(時間配分の感覚をつかむ)
  • 書いた小論文を先生や塾の講師に添削してもらう
  • 添削結果をもとに改善点を意識して書き直す
5小論文のよくあるテーマに対応できるようにする

頻出テーマについて事前に考えをまとめておくと本番で慌てません。

頻出テーマ例:

グローバル化
AI・テクノロジー
環境問題
少子高齢化
教育改革
働き方改革
ジェンダー平等
SDGs
情報社会

小論文でよく見られる減点ポイント
  • 設問に正確に答えていない(テーマからずれている)
  • 主張に一貫性がない(矛盾している)
  • 具体的な根拠や事例が乏しい
  • 感情的な意見に終始している
  • 誤字脱字や文法ミスが多い
  • 段落分けが不適切
  • 字数が大幅に不足している

5-2. 面接対策

面接は志願者の人間性や適性を直接評価する重要な選考です。総合型選抜ではほとんどの大学で面接が実施されます。

よく聞かれる質問とその対策

質問の種類よくある質問例回答のポイント
志望動機「なぜこの大学・学部を志望したのですか?」
「他の大学ではなく、本学を選んだ理由は?」
大学の特色や学部のカリキュラムなど、具体的な内容に触れながら、自分の興味や将来の目標とのつながりを説明する。一般的・抽象的な回答は避ける。
学習意欲・将来像「大学で何を学びたいですか?」
「将来の夢や目標は何ですか?」
具体的な学びたい分野や科目名を挙げ、それがどう将来につながるかを説明する。実現可能な将来像と、そのために必要な学びを関連づける。
高校生活「高校時代に力を入れたことは?」
「困難を乗り越えた経験を教えてください」
具体的なエピソードを挙げ、そこから何を学んだか、どう成長したかを説明する。志望学部の学びに関連づけられるとなお良い。
自己PR「あなたの長所と短所は?」
「自分の強みは何だと思いますか?」
長所は具体的なエピソードと共に説明。短所は改善への取り組みも併せて述べる。自己分析を深め、率直に話すことが重要。
時事問題・専門知識「最近の○○問題についてどう思いますか?」
「この分野の将来性をどう考えますか?」
日頃からニュースや専門分野の情報を収集しておく。自分なりの考えを持ち、理由や根拠と共に説明できるようにする。

1面接準備の基本
  • 提出書類の内容を完全に把握しておく
  • 志望理由を明確に説明できるようにする
  • 大学・学部の特色や教育内容をリサーチする
  • 自分の強み・弱み、経験を整理しておく
  • 想定質問に対する回答を用意する
2面接当日の心構え
  • 時間に余裕を持って会場に到着する
  • 清潔感のある服装で臨む(制服または私服)
  • 入退室のマナーを守る(ノック、挨拶など)
  • 姿勢や表情に気をつける(前向きな印象)
  • 質問に対して簡潔に答える(長すぎない)
3話し方のポイント
  • 明るくハキハキとした声で話す
  • 相手の目を見て話す(アイコンタクト)
  • 敬語を正しく使う(過度に丁寧すぎない)
  • 結論から話し、理由を簡潔に述べる
  • 「です・ます」調で終わる(語尾を明確に)
4練習方法
  • 家族や友人と模擬面接を行う
  • 鏡の前で練習して表情や姿勢をチェック
  • 録音・録画して自分の話し方を客観的に確認
  • 本番を想定した服装で練習する
  • 塾や予備校の模擬面接を活用する

グループディスカッション対策

一部の大学では集団面接やグループディスカッション形式の選考が行われます。

  • 積極的に発言する:黙っていると評価されません。適度に発言する機会を見つけましょう。
  • 他の参加者の意見を尊重する:一方的に自分の意見を押し付けず、他者の意見にも耳を傾けましょう。
  • 議論をまとめる役割も意識する:ファシリテーター役を担うと高評価につながることがあります。
  • 論理的な発言を心がける:根拠を示しながら、わかりやすく自分の考えを伝えましょう。
  • 表情や態度にも注意する:話していないときも前向きな姿勢で参加していることをアピールしましょう。

5-3. 志望理由書の書き方

志望理由書は、出願書類の中でも特に重要な書類の一つです。なぜその大学・学部で学びたいのか、自分の強みや将来の目標を明確に伝えることが求められます。

志望理由書の基本構成

導入部
  • 志望のきっかけ
  • 興味を持ったきっかけとなる経験
  • 問題意識
展開部
  • 大学・学部を選んだ理由
  • 学びたいこと
  • 自分の強み・経験
  • 高校での取り組み
結論部
  • 大学での学びを通じて実現したいこと
  • 将来の目標・展望
  • 大学・社会への貢献

1大学・学部のリサーチをする

志望大学の特色やカリキュラム、教授陣、研究内容などを詳しく調べましょう。

  • 大学のウェブサイトや大学案内を熟読する
  • オープンキャンパスに参加する
  • 学部の特色あるカリキュラムや研究室を把握する
  • アドミッションポリシー(入学者受入方針)を確認する
2自己分析を徹底する

自分の強み、経験、学びたいことを整理しましょう。

  • これまでの経験や活動を振り返る
  • 大学での学びにつながる経験や関心を洗い出す
  • 自分の特性や強みを客観的に見つめる
  • 将来の目標や展望を明確にする
3具体的に書く

抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードや理由を挙げましょう。

×悪い例

“貴学は素晴らしい教育環境と充実したカリキュラムがあるので志望しました。”

○良い例

“○○学部の△△教授の『××研究』に関心を持ち、実際にオープンキャンパスで模擬講義を受けたことで、□□について深く学びたいと考えるようになりました。”

4添削・推敲を重ねる

一度書いただけで提出せず、何度も見直して完成度を高めましょう。

  • 教師や塾の講師など第三者に添削してもらう
  • 誤字脱字や文法ミスをチェックする
  • 一貫性のある内容になっているか確認する
  • 大学の求める人材像に合致しているか見直す
志望理由書でよくある失敗
  • 他大学のコピペ:大学名や学部名を単に置き換えただけの内容は見抜かれます
  • ネットの定型文をそのまま使用:個性がなく、ありきたりな内容になりがち
  • 志望理由が曖昧:”偏差値が合っている”など、本音を書いてしまう
  • 大学の特色を理解していない:一般的な情報だけで書いている
  • 自分自身について書かれていない:大学の良さだけを述べて、自分との関連性が薄い

6. よくある質問と回答

Q. 総合型選抜と一般選抜、どちらが合格しやすいですか?

A. 一概には言えませんが、総合型選抜は倍率が一般選抜よりも低い傾向にあります。ただし、選考基準が異なるため、自分の強みや特性を生かせるかどうかが重要です。学力だけでなく、意欲や目的意識、活動実績などが評価されるため、それらをアピールできる学生には有利と言えるでしょう。

Q. 評定平均が低くても総合型選抜に出願できますか?

A. 大学・学部によって異なります。評定平均の条件を設けていない大学もありますが、多くの場合は一定以上(3.5や4.0など)の評定平均を求められます。慶應SFCのように評定平均を問わない総合型選抜もありますので、出願要件を必ず確認しましょう。

Q. 総合型選抜で落ちた場合、一般選抜にも影響しますか?

A. 基本的に影響はありません。総合型選抜と一般選抜は別の入試制度であり、総合型選抜で不合格になっても、一般選抜で合格するチャンスはあります。むしろ、総合型選抜の経験(面接や小論文)が一般選抜の対策にもなることがあります。

Q. 総合型選抜の対策はいつから始めるべきですか?

A. 理想的には高校2年生の後半から始めるのがおすすめです。志望大学の情報収集、自己分析、志望理由の整理、小論文や面接の対策には時間がかかります。特に小論文は早めに練習を重ねることで、論理的思考力や表現力が向上します。

Q. 専門学校等の独自の活動がないと総合型選抜は厳しいですか?

A. 特別な活動実績がなくても合格する可能性はあります。大事なのは、日常の学校生活や趣味などの中から、志望学部との関連性を見出し、自分の強みや意欲をアピールできるかどうかです。部活動、委員会活動、ボランティア、趣味など、身近な経験からでも志望理由を構築できます。

Q. 総合型選抜で入学した学生は学力が低いと見られますか?

A. そのような偏見は徐々に薄れてきています。総合型選抜では学力だけでなく、多様な能力や適性が評価されます。また、近年は小論文や面接に加えて学力試験を課す大学も増えており、学力も担保されています。むしろ、強い目的意識や意欲を持って入学した学生として評価されることも多いです。

7. 参考文献・ウェブサイト